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この文章は,『月刊ポスドク第4号 (2015年12月発行) に寄稿したものです.編集・発行者の許可を得て,こちらに転載しました.

tsutatsuta. 2015. SIMフリー携帯のすすめ. 月刊ポスドク 4:20–21.


SIMフリー携帯のすすめ

はじめに

私はポスドク1年目ですが,ポスドクからはじめた研究テーマで海外調査をしており,年間の1/4から1/3は日本にいない……という状態になっています.そこで気になってきたのが,携帯電話 (スマートフォン) の通信費です.大手キャリアの,高速データ通信の容量が定められた定額サービスを契約していましたが,海外調査がある月はこの容量をほとんど使わないにもかかわらず,定額の,そこそこ高い請求が来ていました.その大手キャリアのほかの契約プランを調べてみましたが,電話はあまり使わずデータ通信量は月々にばらつくといった,私のような使い方にあったプランは無いようでした.


SIMフリー携帯

そこで注目したのがSIMフリー携帯です.大手キャリアのスマートフォンでは,自社のSIMしか使えないようにしたSIMロックがかけられたものが大半だと思いますが,最近,いろいろな会社が,そうした縛りのないSIMフリー携帯を製品化し,独自の料金体系をもったフリーSIM (SIMフリー携帯に入れることを主に意図して作られた,大手キャリア製のものでないSIMを,ここでは「フリーSIM」と呼ぶことにします) を販売しています.Web検索していただければ,さまざまな情報が手に入ると思います.

フリーSIMのメリットのひとつは,料金体系が非常に柔軟であることです.通話機能の有り無しも選べますし,月々の通信データ容量も500MBから1GBごとなどで自由に選択できます.使わなかった容量を翌月に繰り越してくれる会社もあります.料金体系は柔軟であると同時にシンプルな会社が多い印象で,「◯◯パック」のようなよくわからないサービスをごちゃごちゃと契約させられて,気づいたらよくわからないお金がかかっていた,ということもありません.店舗に足を運ぶ必要もなく,Web経由で申し込みや決済をすれば数日で商品が到着して使えるようになります.私は,フリーSIMに乗り換え,多すぎたデータ通信量を少なくし,結果的に,月々の請求金額は半額以下になりました.

SIMフリーの携帯電話端末のほうにもメリットがあります.それは,海外に行ったときに現地のSIMを購入すれば,電話番号は変わってしまいますが,日本で使っているのと同じ,操作や触り心地などに慣れた愛用の端末を使うことができる点です.LINEなど,IDが端末にひもづけられたアプリケーションもそのまま使うことができます.長期調査ほどではないけれど研究会や学会で海外に少しだけ滞在する,というときにも,気軽に携帯電話を使うことができます.


注意点

ただし,いくつか注意すべき点もあります.ひとつめは,フリーSIMの種類や端末との組み合わせによっては,テザリングができなかったりデータ通信ができなかったりすることもある点です.使う予定の端末とフリーSIMとの組み合わせを事前にしっかり確認しておくのが良いでしょう (そうした情報は,たいてい,フリーSIMの会社のWebサイトに掲載されています).

ふたつめは,端末によってはSIMフリー機種の値段が高くなることです.iPhoneなどはその代表格でしょうか.私はそのため,長年使い慣れてきた,大手キャリア縛りのあるiPhoneを泣く泣く手放し,かわりにAndroid OSの入ったSIMフリー端末を手に入れました.最初はOSの違いに戸惑うこともありましたが,AndroidもAndroidなりの良さがあって,案外気に入っています.しかし,もし端末の機種にこだわりがあるのでしたら,海外に行ったときに買ってくるなどの策を講じたり,国内で購入するのであれば多少の出費は覚悟したりしないといけないかもしれません…… (ただし,こだわりが特になければ,国内でも,十分に使えるSIMフリーのスマートフォンが1万円程度から入手可能です).




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