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この文章は,NPO法人「FENICS」の2018年5月25日発行のメールマガジンに寄稿したものです.編集・発行者の許可を得て,こちらに転載しました.


黒パンとレバーペースト

デンマークの首都にあるコペンハーゲン大学で実験をしていたときのこと。12時半頃になると、みんなで集まってランチを食べはじめる。他人のお弁当をひそかに観察するのはわりと楽しい。よく見たのは、冷たいサンドイッチだった。地元出身の同僚は、穀物の種がぎっしりつまった黒パンに、デンマークではポピュラーなレバーペーストをなみなみと塗って、テーブルナイフで切ったキュウリをその場で挟んだりしていた。

この黒パン、実においしい。パン屋さんやスーパーマーケットにはいろいろな種類が売っており、風味があるのに酸味はあまりなく、トースターでちょっとあぶると、外側がカリッとして、チーズなんかを乗っけると、もう最高である。ずっしり詰まっているので数切れ食べれば満腹になり、これに慣れてしまうと、ふわふわした白パンでは、もはやごはんを食べた気がしなくなってくる。

黒パンの冷たいオープンサンドイッチは「スモーブロー」と呼ばれており、レストランで供される高級なものもある。こちらはは見た目がきれいで実においしいけれど、物価の高いデンマークでは、残念ながらそう頻繁には食べられない。

ところで、問題はレバーペーストである。これに関しては好みがはっきり分かれるようで、西欧出身の人でも、特有の生臭い匂いを受けつけないことが多いそう。デンマークの人はどうしてこれが好きなのだろう…?と同僚に聞くと、幼少期から食べ慣れているからかな…とのことだった。ちなみに私は嫌いではなく、洋風にトーストとサラダを用意している休日の朝などに時折思い出しては、また食べたくなってくるのだった。


Smorrebrod of Aamanns

高級なほうのスモーブロー。専門店のショーケースには、こんなふうにきれいな見た目の種類がたくさん並んでいます。





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